大切なご家族の為に。最適な車椅子の選び方。

車椅子が必要になったけれど、どれを選んでいいか分からない。また、車椅子の購入は高いからレンタルが良いと聞くけど、実際のところどうなのだろう。とお思いではありませんか?

車椅子の選び方

車椅子を選ぶ際に重要なことは、利用される方のお体の状態に合ったタイプ・機能を選ぶことです。なぜなら、合っていない車椅子を選んでしまうと、座っていても体の疲れや痛みを感じやすくなるからです。筋力の低下や体の変形、身体状況の悪化を引き起こす恐れもあります。
 車椅子は、大きく分けて、自走式、介助式、モジュール式、ティルトリクライニング式、電動式の5タイプあります。また、利用される方の安全や使い心地のよさを配慮した様々な機能がついています。利用者様のお体の状況に合わせて、タイプと機能を選ぶことが大切です。
次の章でそれぞれのタイプ・機能についてご紹介いたします。

車椅子の選び方

自走式

車椅子をご利用される方が、ご自身で操作をするタイプです。両タイヤの横にハンドリムがついており、こちらを両手で持ってこぐことで、ご自身で移動ができます。座位を保つことができ、手や足を動かすことができる方は自走式がおすすめです。ご自身で移動することで、行動範囲が広がり、筋力維持にもつながります。但し、ご自身で安全に車椅子を動かすことができて、ブレーキの管理(立ち上がる際に確実にブレーキをかける等)が出来ることも必要です。自走式は後ろに手押しハンドルがついているので、介護者が押して移動することもできます。

介助式

介護者が後ろから押して移動するタイプです。ハンドリムがついていない為、ご利用者様自身で操作することはできません。ご自身で車いすを操作できない方に利用するタイプです。

モジュール式

座面の高さや座幅、肘かけの高さなどが調整できるタイプです。スムーズな移乗が可能な肘かけ跳ね上げ機能や、前方からの介助や移乗が安全に行える脚部スイングアウト機能などがついており、標準型車椅子よりも機能的です。月日が経ち利用者様の体型やお体の状態が変わっても、ある程度調整が可能です。

ティルトリクライニング式

背もたれが倒れるリクライニング機能と、座面と背もたれが連動して倒れるティルト機能をもったタイプです。お尻にかかる体圧を背中や腰に分散させるので、ゆったりと楽に座って頂けます。座位の姿勢を保つのが難しい方向けの車椅子です。

電動式

電動で移動できるタイプです。手元のレバーで操作できるので、手に力がない方も使用できます。介護者の手を借りることなくご自身での移動が可能になります。切り替えで手動の車椅子としても使用できます。バッテリーが搭載されており、車椅子自体重量のあるタイプになります。

車椅子の機能

 肘かけ跳ね上げ機能

肘かけ(アームサポート)の部分が跳ね上がる機能です。肘かけを上げることで邪魔にならず、スムーズに移乗ができます。

脚部スイングアウト機能

足置き(フットサポート)の部分が左右に開く機能です。移乗時や立ち上がり時に取り外すことで、転倒の危険を格段に下げることができ安全な移乗につながります。また、足こぎをしたい方には取り外して使用することもできます。

脚部エレベーティング機能

脚部(フットサポート、レッグサポート)の部分が上がり、角度を調整できる機能です。膝を曲げられない方、足が拘縮・変形してしまっている方に必要な機能です。脚部を上げて足をリフトすることで、無理なく足を伸ばしたまま過ごして頂けます。

背張機能

背もたれの部分の張り方を調整できる機能です。背骨が曲がった円背の方には、背張機能は大切です。背中をゆったり包み込むように背張を調整することで、姿勢保持を助け、楽に座って頂けます。

車椅子は購入とレンタルどちらが良い?

車椅子はレンタルがおすすめ

車椅子は購入よりもレンタルが良いと考えます。
 なぜなら、レンタルならその時の身体状態に合わせた車椅子を選択できるからです。前章でご紹介したように、車椅子にはさまざまなタイプ・機能があります。利用される方のお体は日々変わっていくので、当初はお体に合っていた車椅子も少しずつ合わない部分が出てきます。ですが、車椅子は安いものではないので一度購入してしまうと、お体の状態が変わってもそう簡単に買い替えることは難しいです。
 筆者の場合、祖母に介護が必要になった時に自走式の車椅子を購入したのですが、結局半年ほどで寝たきりになり、購入した車椅子を使用できなくなった経験があります。
もしお体の状態が変わって、自走式から介助式やティルトリクライニング式に切り替えが必要になった場合でも、レンタルなら利用する車椅子を変更できます。また、車椅子の購入は介護保険サービスの対象とならない為、購入代金は全額自己負担となります。しかしレンタルは介護保険の対象となります。月々のレンタル料金の基本1割(一定所得以上の方は3割)負担で利用できるので、経済的です。
介護保険外となりますが、車椅子の短期間レンタルサービスというものもあります。こちらは最短1日からレンタルが可能です。旅行や法事など一時的に利用をしたい場合は、短期レンタルサービスがおすすめです。
車椅子の不具合や故障時はメンテナンスをしてもらえる、必要な時に必要なだけレンタルでき不要になった場合は返却すればOK、などその他メリットも多く、購入よりもレンタルの方が良いと言えます。

レンタルの際に気をつける点

車椅子レンタルの際、事前にお住まいの市町村に申請し、要介護認定を受けておく必要があります。介護保険の対象となるのは、原則要介護2以上の方です。要支援1・2、要介護1の方は、介護保険を適用されませんのでレンタル料金は全額負担となります。しかし、「日常的に歩行が困難な人または、日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる人」とされれば、レンタルできる可能性があるので担当ケアマネージャーへご相談ください。また、申請日より介護保険は適用される為、介護保険申請中や申請予定の方もレンタル可能です。
介護保険を使ってレンタルする場合は、ケアマネージャーへ申し込みの上、レンタル業者と相談・車椅子を選定します。レンタルは1ヶ月単位での利用となります。

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